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『孤唱傷心』船坂圭之介歌集を読む [短歌]


孤唱傷心
ネットでお知り合いとなった、船坂圭之介さんより、第2歌集の『孤唱傷心』をいただいた。
第一歌集『風韻無限』を上梓されたのが7月だったので、2か月足らずでの第2歌集、ということになる。
また、年内にも第3歌集を出される準備をされているわけで、今までに詠まれてきたものを一挙に出版される心づもりでいらっしゃるようだ。
(そのあと第4歌集に取りかかられるそう)

この第2歌集には昭和57年と58年の歌を収められている。
本格的に短歌を始められたのが56年、ということなので、最初期の作品集、ということになるだろう。
初心のころの作品には、作者のスタート地点が見えてくるような、そんな面白さもあった。

歌集より、10首、選ばせていただきました。

昭和58年の歌から。

・メスかざし真向かへば吾に砕かるるまなこ哀願する如く揺れ

・もろもろのみみわたりゆく風説のわれに届かぬよるの長さよ

・逢瀬などあらねば日暮れ雨に佇ちコートを負荷の如く被りぬ

・なつの陽はそらに盛れどわが庭に青を映して柚子の葉は冷(さ)む

・雪よ返す掌に一ひらを措きてゆけ冷たきものはなべて明るし

昭和58年の作品から。

・それぞれのおもき思ひを古書店の棚に背文字は負ひて連なる

・あらはなる風天涯の星を呼び「右眼献上」をせまるふゆの夜

・夏眠とや陽をせなにそてなか空にかぜ止まりたるままの煩悶

・憎まれてゐることの清々しさよアウエルバッハ叢はきしみて

・ふるさとの秋へ翔たばや午前五時始発電車のなかのまどろみ

作者は長く眼科医をなさっていたそうで、その現場の歌は私の全く知らない世界。そういうところを垣間見る楽しみもあった。

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