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『憧憬遍歴』船坂圭之介歌集 [短歌]

いただいた歌集の感想を。

憧憬遍歴

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題詠マラソン題詠Blogでお知り合いとなった(お会いしたことはありませんが)船坂さんの第3歌集。
第1歌集で最近の歌をまとめられ、第2歌集は初期の作品、そして、第3歌集はその間の昭和59年から平成元年の歌を収められている。
第2歌集のあとがきで、昭和59年から平成15年までの歌を第3歌集に納められる予定だと書かれていたようですが、予定を変えられたのでしょうね。
シリーズとして、もう一冊が期待されます。

さて、船坂さんの歌は孤独と死の影の強い色合いの強いものが多いのが特徴だと思うのですが、この歌集のころに透析をはじめられたのでしょうか。漠然とした死から、個としての死を強く思われている感じの歌が印象に残りました。

歌集の中より、10首、紹介させていただきます。

・兄の無きことを負として歩み来れば天つ日の下限り無く冬

・きのふよりあしたへ細き管のなか双腕をゆく血は騒ぎつつ

・父の座のさびしかりけりくもひとつ無き青ぞらのなかの月球

・散りぬれば色もかをりも失せにけりわれとわが血に似し寒椿

・艶かならざる裸形のあふれ居て医書古びたる書庫に日すがら

・天使墜つ夜はかくならんヨード卵ひえびえと冷蔵庫にきしむ

・昭和果つる夜の星昏しかへりみる闇にただ在るわが白き呼気

・うしなひしもの多かりき薄明の路上に死屍のごときかげ踏む

・少年のかげつと失せて冬枯れの黄薔薇すなはち汗のにおひす

・夜の舌にチロロ鳴き逝く一ひらのチーズしみじみ今宵蕪村忌


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