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鑑賞097「訴」 [百題百日2008]

今日は97日目。本日の題は「訴」です。
この題も難しく感じられたのではないでしょうか。
動詞で活用させれば「訴える」。不満や苦痛などを告げる時や、気持ちを強く述べる時に使われるのが一番多いかと思いますが、この言葉の強さに対し、その内容が一般的なものだと、浮いてしまうのかなあ。特に「訴えるような~」、という言い回しは、比喩とも意識されなくなっているほど、内容がなくなってしまった比喩ではないかと思います。
また、名詞の一部として用いられるものは裁判関係の固いものが多く、あまり縁がない、と感じられた方が多かったのでは。

では、一首ずつの感想です。
まずは、動詞形で用いられた歌から。

砺波湊 (トナミミナト2008)
タピオカの粒を浮かべた瞳にて何を訴う美少女フィギュア
「タピオカの粒」が非常にイメージを喚起させる言葉だ。含む水分が多く涙を連想させるのに、ひどく人工的な感じがする。

次は、「愁訴」「不定愁訴」の歌。
この題の歌としては、まだ、用いやすい単語だったのではないだろうか。

船坂圭之介 (kei's anex room)
愁訴多き患者のゆゑに何か事起る懸念を申し送りぬ
「申し送りぬ」なので、医療従事者の立場での歌だろう。
「事」とは、自殺だとか、失踪だとか、そういうことだろう。大きな不安を抱える場だが、医療関係者たちは、淡々と、対策をとる。それがその立場の者にとって最善の方法なのだろう。

あおゆき (メソトリウム)
御母の不定愁訴は温暖化、冷害、台風・・・大変ですなあ。
「御母」と「大変ですなあ。」が、ちょっと茶化す感じだが、正面から対応していると、お互いに泥沼化してしまいそうな場面。
それぐらいがお互いに最適の距離の取り方だろう。母と娘は難しい。

続いて、その他の「訴」の歌を。

本田鈴雨 (鈴雨日記)
なにごとのありて水槽出でたるや あはれ直訴の沼海老は干(ひ)ぬ
水から飛び出してしまった水棲生物の行動を「直訴」ととった作中の人物。
水槽が狭すぎたのか、猫などからの防除策に不安があったのか、自分の落ち度として感じているのだろう。
あるいはいもりか?(というのは、本田さんの歌の中にいもりを詠まれた歌が複数あって、なんだか、わたしまでそのいもりさんに親近感を感じてしまっているのね)

酒井景二郎 (F.S.D.)
お習字でふざけて勝訴と書いてゐた彼がプロレスラーになる由
やんちゃな、小学校の高学年ぐらいの男の子が思い浮かぶ。クラスに1人ぐらいはこういう子がいるのね。
お習字の時間にテレビのワイドショーで見た「勝訴」の字を書いて、教室の中を走り回ったに違いない。
その子がすっかり成長いて、プロレスラーになるという。いかにも彼らしい感じの進路だ。


~~~~~~~~
明日は一日、お休みします。
また、明後日に!
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