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鑑賞093「周」 [百題百日2008]

今日は鑑賞93日目。「周」の題です。
動詞としても普通に使われる文字ですが、どういう訳か、ピックアップした歌はすべて、名詞の一部にこの文字を使った歌となりました。
たまたまそうなっただけ、だとは思うのですが。

それでは、一首ごとの鑑賞に行きます。

船坂圭之介 (kei's anex room)
周波数わづかずれ居り深き夜のラヂオ放送耳に苦しき
性能のあまりよくないラジオで真夜中にAM放送を聞こうとすると非常に苦労する。
何とか拾えても、雑音が多くて「耳に苦しき」という状態だ。
雑音で物理的に耳がつかれる、ということもあるが、届いてほしいものがすっきりと届いてくれない苛立ちもそこにあるようだ。

瑞紀  (歌信風)
ボタン押すたび新しき周波数探すラジオを窓際におく
こちらのラジオは高性能の物のよう。
カーラジオではよく見かけるが、最適な周波数を自動的に拾ってくれる仕組みになっている。
作中の人物は、それを単に、便利だと思っているだけではなく、不思議さを感じているようだ。
周波数が合うたびに、未知の何かと、交信しているような感じを受けた。

近藤かすみ    (気まぐれ徒然かすみ草)
わたつみの潮の満ち干は変はらねどいつか消えゆくおみなの周期
潮の満ち干は月と地球がある限り(たぶん)繰り返すが、女性には、やはり月の周期と関連付けられて語られる、月経があり、こちらは、閉経を迎える時期というのがある。
月ごとに来る煩わしさを逃れられる、とは思うものの、やはり、自分の女性性を否定されるようにも思われるできごとだ。
女性の中にあらかじめセットされている、一つの終わり。何であれ、終わりを迎えるというものはさびしいもの。その有限な存在としての自分から見る潮の満ち干はとてつもなく豊かなものに思える。
 
村上きわみ (北緯43度)
くるしんでいるのでしょうね周縁の凍りはじめたこのみずうみも
見たことはないが、湖が凍り始めると、その凍った部分は盛り上がり、ごつごつとした塊となるのではないだろうか。その様子を「くるしんでいるのでしょうね」と詠まれている。湖が凍って行く姿を早送りで見ているような気がする歌だ。

大辻隆弘 (大辻隆弘 題詠100首のために)
脚ながき花山周子わが横に座りしばらく凹みてゐたり
花山周子さんがどんな外見をされているのか、全く知らないが、目に見えるように思えて、クスッとしてしまう歌。
「脚ながき」があるので凹んでいる姿勢までが具体的に(勝手に想像していて、たぶんその時の実際の様子とは違うだろうけれど)思い浮かぶ。

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