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船坂圭之介歌集『風韻無限』 [短歌]


風韻無限


ネットが縁でお知り合いになった船坂圭之介さんの歌集を頂いた。
あとがきによると、作者は腎不全で人工透析を受けられている、とのこと。また、歌より、奥様に先立たれ、故郷を遠く離れた土地でひとり暮らしていらっしゃる様子もうかがえる。

より、死を身近に感じられ、また、孤独感も強く感じられているのだろう。
残された時間の中で、いっそう精彩を放つ世界をいとおしむ歌、死の影に翳る心を詠んだ歌、そして、すでに彼岸へと旅立っていった人びとを詠んだ歌がとりわけ心に残った。
そのなかから、10首引いておく。


・二度とその歌に触れ得ぬさびしさを知らず小庭に来鳴く夏鳥

・乳いろに濁れる空へ影うすめ鳶の溶け入る午後の倦怠(けだる)さ

・風誘ふみどりのターフ香りたち若き悍馬の総毛立つ 夕

・早苗月 ややにかげれる薔薇群のなか燦然と蜂のまぐはひ

・転生はねがはざれども……遠海にわが葬列のごときいさり火

・亡き妻の居るごとくあり厨辺ににほふカレーのほのあまくして

・逝きし日の塩からき汗 少年が掌にのこすただひとつの記憶

・再びの逢ひあらしめよ逝きし妻と独り腎病むこの老いし身へ

・十月の他界に鳴るやフルートの細音かはたれどきの 母の譜

・かなしさはいかなる情思 老耄の吾がひとり聴く嬰ハ短調



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コメント 2

kfuna

早速御取りり上げくださり有難う御座います。あとがきにも書きましたが、選歌も編集所に依頼してしまったので、吾が意にそぐわぬ点、多々在ったのですがやむをえません。
寿命が許すなら,第三歌集まではこの調子で既に依頼済みですが、密かに狙うのは、自選による第四歌集です。
これこそ遺書であり存念の塊りで、是非是非成し遂げたく思っています。
透析生活では、で何時まで命を赦されるか解かりませんが、それが私の今の希望です。頑張りますので応援よろしくお願いします。船坂圭之介
by kfuna (2008-07-21 21:29) 

kiriko

船坂さん、こんばんは。
第4歌集まで計画されているのですか!
やはり、自選による歌集、ぜひとも拝読したいものです。
お身体の方のご不安もおありでしょうが、なんとしても完成させてくださいませ。
楽しみに待っております。

そして、そこに留まらず、より一層のご健詠をお祈りいたします。
by kiriko (2008-07-21 23:27) 

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