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鑑賞095「裏」 [百題百日]

今日の題は「裏」。表あっての裏ですから、影だとか、負だとか、マイナスのイメージの強い言葉だろうと思います。

と書きつつ、あれ?「裏切り」の裏ってなんだ?と思ったんですけど、これも、公明正大に切るんじゃないから「裏」なんでしょうね。

 

今日の鑑賞は投稿された順に。

 

(春畑 茜) (アールグレイ日和)

裏おもて裏また表いちまいの記録につづく夏の攻防

スコア表なのだが、五句まで来て、ようやくそれと分かる。

この、分かるまでの時間が大切なわけで、表や裏がひらひらといろんな形で想像させられた後の「夏の攻防」がより陰影に満ちたものに思える。

 

(萱野芙蓉) (Willow Pillow)

裏窓にたましひ吊るし夜気に透くアクアマリンの眠りを欲りつ 

ちょっと思ったんだけれど、裏窓って、日本の現実の社会に存在するのだろうか。玄関と反対側についている窓は裏窓かもしれないけれど、ちょっと違う気がする。あれは、映画だとか小説の中に存在する窓なんじゃないかしらん。

で、歌にもどると、この裏窓に吊るのは「たましひ」。このように描かれるとあたかも魂が臓器のようにぶら下がっているところを想像してしまう。魂を体内から取り出して夜風にさらせば、魂に籠った熱も冷やされる気がする。季節は書かれていないが、寝苦しい夏の夜の歌だろう。

 

(題詠100blog-あいっちのうたあそび。)

カフェ・ラテのカップの裏を拭うとき君の家庭の朝などを思いぬ

「君」は恋人で妻あるいは夫のある人なのでしょうね。

この、カップの裏をぬぐっているのはコーヒーショップなどで働いているところではないか、と思ったのは「カフェ・ラテのカップ」だから。家庭だったらカフェラテもコーヒーも同じコップで飲みそうな気がするから。カフェ・オーレだったら家庭でも別のカップってこともありそうだが。

 

(今泉洋子) (sironeko)

裏庭の柿の実熟れてわれにまだ若き父母あるやうな秋の日

熟れた柿の実のある風景って、どうしてこうも明るくさみしいんだろう。

この感じを「われにまだ若き父母あるような」というの、わかるなあ。

 

(兎六) (一人暮らしの日記)

裏側は真っ赤に燃えているのかもしれない昼の月つれかえる

光を失ったかのような昼の月だが、実は見えない部分が燃えるように赤いのかもしれない、と思うのは理屈ではありえないことだけれど、分かる気がする。

そして、その月も、ほんとのところは別に連れ帰っているわけじゃないのだけれど、心理的にはそう思える時もある。作中の人物にとって、この月は何なんでしょうね。なんだか分からないけれど、無理に説明してしまおうと思うと、歌の表現している世界が狭まるようにも思う。


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