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鑑賞094「社会」 [百題百日]

94番目の題は「社会」。これも、ついついエラそうなことを言ってしまいたくなる題だな。

これを正面から詠むのなら、シャープな切り口が必要だろうと思います。

では、まずは、その「社会」について正面から詠んだ歌から。

 

(髭彦) (雪の朝ぼくは突然歌いたくなった)

福は内鬼は外なる伝統のしぶとくあらむ列島社会に 

島国根性ということはよく言われるが、何がなく発せられる、節分の掛け声も同じ原理なのだ。

たまたまなのだが、読んだのが節分からいくらも日がたってないもので、余計に印象に残った。

 

(原田 町) (カトレア日記)

「社会性まつたくねえな」エスカレーター右に立ちたるわれへの罵声

ぼやぼやしているおばさんが罵声を浴びせられるということはまま、あることなのだが、この歌では「右」が重要。

「社会性」などといいつつ、単なる一つの地方の慣習にすぎないわけで、場所が変われば左で罵声を浴びる。

 

(百田きりん) (きりんメモ)

社会的動物用のパンプスを脱ぐまでは泣かない約束だ

まだまだ女がハイヒールを履くのは男のためだと思っているむきもあろうが、実のところ、多くの場合は会社という場に合わせるための装いなのだ。

まさしく「社会的動物用」。馬にとっての蹄鉄のようなものか。そしてその装いは心理的な鎧でもある。

 

 (題詠100blog-あいっちのうたあそび。)

家族とう社会は苦手 妹はたった四人の常識を言う

家という場は小さくて密閉性がある分、力関係で常識が大きく歪みがちである。

冷静に考えれば間違っていると思われることでも、家族の中で一番力のある者の意見が常識となりがちなのである。この歌の場合も、そんな力関係が働いているような気がする。

 

続いては「社会」の文字を含む言葉を詠んだから。

 

094:社会(中村成志) (はいほー通信 短歌編)

青と黄の7系統のバスでゆく社会科見学(チョコのにおいだ) 

上句の明るさがいい。作中の人物は小学生ぐらいだろうと思われるが、子供っぽくしすぎなかったことに逆に好感を持つ。

 

(遠野アリス) (gymnopedie)

どうしてもひとりぼっちが寂しいと社会欄まで音読しちゃう

ひとの声に飢えているときにはせめて自分の声でも聞いていないとやってられないこともある。

その、音読するものとして、「社会欄まで」というのは納得できる選択である。


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